1、俺に何の恨みがあるんだ
 半同棲中の彼女が待つマンションの郵便受けの前に、白いワイシャツを着た男が座り込んでいた。隣にはパンパンに膨らんだカーキ色のリュックサックが置いてある。いかり肩がやたらと骨ばった、神経質そうな雰囲気を持った男であった。長い間ここにいたのか、スラックスにはくっきりと皺がついている。顔は俯いていて分からない。
 こういう奴は無視に限る。このご時世、親切が仇になることは不条理な社会が口を酸っぱくして警告してくれている。先日も、双子一組と大量の女の子が不審死したとかいう物騒にもほどがある事件があったばかりだ。人間何があるか分からない。対策したって何かあるときには何かあるだろう。だから、こういうときは助けたいと思わない限り、助けて何かあっても後悔しないと思えない限り、スルーだ。それが最善。
 足元にいる男はいないものとして郵便を確認する。夕刊とチラシの他に封筒が1つ入っていた。さっさとエレベーターに乗り込む。が、その前に足を掴まれた。足元を見れば、右足を骨ばった左手が掴んでいる。肉のない指が足首に容赦なく食い込んで痛い。
「あの、」
 振り向けば男の顔が見える。冷たい雰囲気を感じさせる切れ長の目が印象的だ。髪は顔に掛からない程度に短く、清潔感に溢れている。しかし、俯いていた時の印象もあいまってどこか狂気的にも感じた。
「な、なんですか」
 声が上擦る。いつの間にか喉が渇いていた。
「ここに、シノダという男子大学生が住んでいませんか」
「あー……。ちょっと分からないですね」
 本当に知らない。そもそも、自分以外の住人と関わり合いがない。あるとすれば壁の叩き合いくらいだ。といっても、それがコミュニケーションに繋がっているわけでもないので、関係は希薄である。
「えっと……」
 男は少し唸ると、掴んでいた右足首から手を離した。リュックサックを漁ってルーズリーフとボールペンを取り出し、一心不乱に何かを描き始める。無防備だ。今なら逃げることができるだろう。この様子なら思い切り蹴倒すことすらできる。しかしどうしてもこの場を離れる気にはなれなかった。
 男の手元を見る。彼はサラサラと淀みなく線を引いていく。何かをなぞっているのではないかと思うほど筆の運びがスムーズで、人の顔を描いているとすぐに分かった。気障な台詞が似合いそうなほど甘ったるい顔をした男だ。くっきりとした二重の目尻は下がっており、薄い唇の口角は緩く上がっている。
「あ、この人」
 そう呟くと、男は目にも留まらぬスピードでこちらに顔を向ける。必死の形相につい一歩引くが、男が気にした様子は全くない。
「何か、心当たりがありましたか」
 手元が完全に止まってしまったことを残念に思いながら、言葉を続ける。
「大学で、色男のいっくんと呼ばれてる人です。シノダっていうんですね。何か、ここのマンションにも彼女がいたみたいで、一時期よく来てましたよ。最近は見てないなあ」
 彼に何かあったんですか。と訊ねると、男は眉間に皺を寄せて唸る。
「彼に絵のモデルを頼んだのですが、連絡が付かなくなってしまって……。謝礼を払ってしまいたいのに、これじゃあ……。どうも落ち着かないんですよ」
 心底困っていると言わんばかりの表情だ。確かに、金銭のことはさっさと決まりを付けてしまいたくなる。金を返して貰えないのも腹立たしいが、逆に自分が返せないとき、特に持っているのに返すタイミングに恵まれないときなんかはもう気が滅入ってくる。
「……よければ、もし見掛けたら連絡しますよ」
 ええいままよと声を掛ける。これも何かの縁だ。悪い奴じゃなさそうだし、こういうのもたまにはいいだろう。
「えっ、いいんですか」
「はい。あ、赤外線使えます?」
「あ、はい」
 携帯電話を差し出すと、男はスマートフォンを鞄から取り出した。連絡先を交換して分かったが、男の名前は左右田というらしい。ソウダと読むと言われてソウナンダなどと寒いことを考えてしまったのは致し方ない。
「合田さん、ありがとうございます」
 アイダサン、いい響きだ。大学ではゴウダと間違えられた上に音が同じとかいう雑な理由でタケシなどと呼ばれることが多いから、ちゃんと読んでもらえると新鮮な気分になる。アイダでいいよと言えばアイダ君と呼んでくれる。ああ何と良い響きか。
「じゃあ、何か分かったら連絡します。ああ、そうだ。左右田さん、どうなったか気になるんで、そっちで解決したら詳細教えて下さいね」
 なんてこった。ああまたダジャレに。そう思ったが、左右田は全く気にしていない様子で手を挙げた。ソウダでいいよと笑ってくれる。ソーダ君。呼べばまた笑う。きっとこの人も苗字でいじられているんだろうなあ。そんな眼差しを向けてしまう。ゴウダやタケシなんかよりも面倒くさい目に遭っているはずだ。
 お互い名前に言及することもなく、「じゃあ、また」と言って別れた。
 乗り込んだエレベーターは目的の階に止まった。部屋までの廊下を歩く。部屋で待つ恋人は大学の人間関係に詳しかったはずだ。何か聞けるかもしれない。ドアの鍵を開けると、玄関には彼女の靴の他に見知らぬ人間の物があった。友達が来ているのかな、なんて口の中で呟くが嫌な予感は拭い切れない。足がデカすぎる。
 玄関からリビングまでの廊下がこんなに長く感じる日が来るとは思わなかった。恐る恐る木製のドアを開ける。テーブルには空になった皿とコップが置いてある。シンクには鍋とザルとフライパンが置いてあった。パスタ食ってやがったな。ソファー周りには服が散らかっている。ジャケットとかじゃなく、インナーがフローリングに落ちている。
 下着やボトムは落ちていないと考えることもできたが、楽観的な考えを打ち消すほどに嫌な予感しかしない。ジリジリと痛む胃を押さえて寝室に向かう。手がじっとりと汗ばんでいる。開けたくないと思いながらも、意を決してドアを開けた。
「あ、」
 そこにはなんと、先ほど話題に上っていた色男のいっくんことシノダがいた。案の定、彼女とともに全裸で絡み合っていた。俺のベッドで。
 俺の声に気付いて顔を引き攣らせた彼女と、薄ら笑いを浮かべるシノダを眺めながら、俺は何故か何をするよりも先に左右田に電話を掛けていた。呼び出し音を聞きながら、ベッドの近くに散乱するボクサーパンツとジーパンを眺めながら、どうせなら一縷の望みすら持たせないようにリビングで全部脱いでいてくれよ。と、どうでもいいことを考えていた。
 シノダが呆けた表情をしている。その顔、最初から見たかったなあ。



2、お前に恨みはないけどさ
「あ、」
 彼女の部屋でお楽しみをしていたら、見知らぬ男が部屋に入ってきた。背が馬鹿みたいに高くて、厳つい顔付きをした男だ。どうやら彼氏らしい。そんな気はしていた。皿の数とか、靴とか、服とかで。しかし、俺はここまで来て今さらノコノコと帰るような腰抜けじゃない。
「いいとこだったのに、アンタ誰」
 男は一瞬だけ目を大きく見開いたが、その他に感情を表すことはない。おもむろに携帯を取り出して、どこかに連絡をしはじめた。
 対照的に腕に抱えた彼女は笑えるほど動揺していた。臆することはないのに。緊張を解いてやろうと尻を撫でたら手の甲を抓られた上に睨まれた。
「あ、ソーダ君?」
 存外に間抜けな声が響く。こいつどこに連絡してんだ。今この状況で。
「そうそうアイダだよ。色男のいっくんことシノダ、いたわ。俺払っとこうか? うん。いくら? うん。領収証ね。分かった。じゃあ、後でね」
 数秒の沈黙の後、男は耳から携帯を離して鞄にしまい、そこから財布を取り出した。ペラペラと札束を捲り、こちらに差し出す。どういうつもりだ。つーか、色男のいっくんって何だ、馬鹿にしてんのか。
「何これ」
「5万」
 そういうことじゃないだろ。馬鹿じゃねえのとの言葉が口をつく前に、男は俺が脱ぎ捨てたジーパンのポケットに金を突っ込んだ。
「絵のモデル代だってよ」
 ああ、前にそんなことあったな。大した金額貰えないとばかり思っていたから、すっかり忘れていた。5万も貰えんのか。また頼んでくんないかな。じゃなくて。
 ソーダ君に頼まれたから。と、男は何でもないように言うが、今はそういう話をする場面じゃないだろ。この状況については無視か。頭おかしいんじゃねえの。彼女が必死で弁解しているのに一切反応をしない。お前も彼氏だろ。彼女の声がBGMみたいになってんじゃねーか。
「領収証作るよ。あと、一応写メも撮らせて」
 答えを聞く前に写真を撮られる。何なんだこれ怖い。こちらの気を悟ったのか、すごくいいタイミングで「ソーダ君に見せるためだけに撮るだけだよ。悪用はしないから」と付け加える。お前状況分かってんのかよ。今の俺は全裸なんだけど。いや、全裸撮られた所で何も恥ずかしくないけど。
「さすがに、こんな状況でソーダ君は呼べないからなあ」
 分かってんじゃねーか。何なんだよもう。こんな修羅場にならない修羅場初めてだわ。
 思わず、男をまじまじと見てしまう。見れば見るほど険しい顔だ。にも関わらず、気の抜けるようなことしか言わない。これがよかったのかな。ギャップ萌えとかいうやつか。にしてもギャップありすぎだろ。怒鳴り声の一つや二つは貰うかと思ってたのに。狼の皮を被った羊かと思えば山羊だ。迷える子羊だとは到底思えない。
「最優先しなきゃならないことは、これでおしまい」
 男は一息置いてからゆっくりと口を開いた。
「で、この状況は何かな。ベッド、随分汚れてるけど」
 マットレスごと交換するから、弁償してくんない?
 男は俺と彼女の顔を交互に見てから笑った。俺たちとしては全く笑えない。相変わらず、男は彼女の言うことが全く聞こえてないみたいに丸っきり無視する。
「自分のでもない体液の染み付いたとこに寝るのはなあ」
 ちょっとなあ。
 まず俺を見て、それから彼女を見てから、シーツの染みに視線を向けてハッキリとそう言った。
「……お前、それが彼女に言うことかよ」
 俺が彼氏に言うことでもなかった。
 案の定、男は豆鉄砲食ったような間抜けな顔をしている。そんな顔を見ても気は一切晴れず、無言で見つめ合っている内に彼女が立ち上がって男にイノキ張りのビンタをかました。部屋を突き抜ける張りの良い乾いた音の余韻を聞いている内に彼女は泣きながら帰ってしまった。



3、恨みも悪気もないんだよ
 お金のやり取りのついでにお昼を一緒に食べよう。と、連絡が来たので、大学の食堂でアイダ君を待っていた。食堂は広いと言えど込みやすい。幸い2限がなかったからよかったものの、座って席を取っておかないと快適には過ごせない。
 混んでも身動きを取りやすそうな席に腰を下ろし、リュックサックからB4サイズのスケッチブックと筆箱を取り出す。筆箱から2Bの鉛筆を選び、真っ白なページを開いてふと思い付いた絵のラフを描き始めた。
 描きたい物がないと何も描けないという、将来絵で食っていくには何とも難儀な性分だから、然るべきアイディアが浮かんだ時に何も見ないで出力できるように、普段はその辺の人や風景を描いている。
 少し前のページにはいつの間にか学校から消えた双子とその友人らしき人物のクロッキーがあったのだが、それは人にあげてしまった。食堂でペラペラと眺めていたときに、そのページを譲ってくれと声をかけられた。前腕部分がほんの少し抉れた学生で、気が触れていそうというか、何らかの領域を超えていそうな目をしていたから妙に印象に残っている。雰囲気がだいぶ変わっていたが、多分、双子と一緒に描いた友人だろう。クロッキーを受け取ったときの彼の哀愁が滲んだ笑顔は絵に残したかった。
 人にしろ物にしろ、見ていて綺麗だと思う物を描くのは楽しい。しかしやはり、自分の好きな物を描く喜びの方が勝っていた。今回の絵も良い出来になるだろう。あわよくばこのまま下書きまで行きたいと思いながら手を動かす。想像が形になる瞬間は何度味わっても快感だ。
 昼休みが始まって10分ほど、ラフができて下書きが一段落した頃、アイダ君が何とも言えない顔をしてやってきた。その浮かない表情が気になるものの顔色は悪くないので、いいタイミングだねとだけ言って画材を鞄にしまう。
 背景もモチーフも描けたのに人物だけどうしようか迷っていた。少しアンニュイな雰囲気にしたかったんだけど、納得いくような顔が描けないのだ。
「お金、渡してくれたようだね。ありがとう」
 とりあえず、礼を言う。つい先日電話が来た時は驚いた。まさかこんなに早く解決するなんてと思ったね。頼んだその日に解決しちゃうなんて。これが縁ってやつか。
 まあ、ちょうど見付けたからねと、アイダ君はさらっと言ってくれた。初対面の時にも思ったけど、何て良い奴なんだ。
「それに、こっちも助けられたとこあるし」
 それは一体どういうことなのか。そう訊きたいこの気持ちを汲んでくれたのか、アイダ君はとりあえず食べようよと苦笑した。
 僕は肉じゃが定食、アイダ君はきつねうどんを頼んだ。片方が荷物番をする形で交替して事を取りに行く。先に行ったアイダ君を何となく眺めていると、彼を見つめるシノダに気付いた。久しぶりに見た。いつ見てもべらぼうに綺麗な顔だと思っていると、更にそのシノダを見つめる女の子を見付けた。何だこの図。女の子がシノダを見るのは分かるが、シノダがアイダ君を見るのはおかしい。アイダ君はどうやってシノダに金を渡したんだと思うほどの見つめっぷりだ。
 アイダ君はきつねうどんを持ってこちらに来た。アイダ君を見つめていたシノダと目が合う。それきりシノダは明後日の方向を見る。女の子は熱心にシノダを見ていた。
「ただいま」
「じゃあ、行ってくる」
 シノダがガン見してたよなんて言っても、ただでさえ浮かない表情がさらに悪くなりそうなので、知らなかったことにする。
 食堂の列は少し混んでいた。これからもっと混むのだろう。定食の列に並ぶと、背後から声を掛けられた。
「おい」
「うわ、シノダ」
「うわって何だよ、うわって」
 まあ、いいんだけどさ。5万、ありがとうな。と続けるシノダに遅くなってごめんと謝る。
「いいんだよ。アレのおかげで思うことがたくさんあった」
 はて、何のことかと思うが、多分、アイダ君を通してのやり取りだったから何かあったのかも。さっき何かすごく見つめてたし。
「アイダ君に何か言われた?」
 何とも歯切れの悪い顔をしている。いい顔だなあ。またモデルを頼みたいなあと思いながら、何があったのか一応訊く。アイダ君からは後で訊けるだろうし。
「いや、俺がした、のか? つーか、話聞いてないんだ?」
 アイダ君の浮かない顔の原因はシノダだったのか。接点を持たせてしまった僕も同罪なのかなあ。
「多分、これから聞くと思う」
 そうか。そう呟いてシノダは去っていった。
 テーブルにお盆を置くとアイダ君が顔を上げる。食べずに待ってくれているなんて優しい。学科の仲間なんて待たずに食べるのに。いや、僕も普通に気にせず食べるけど。
「ソーダ君、おかえり」
 さて、食べようかと言えば、アイダ君は箸を持つ。二人でいただきますの挨拶をして、10分ほど無言で食べた。
「いっくん、俺ん家のベットの中にいたんだけど」
 そこで突如、アイダ君が爆弾をぶち込む。彼女と一緒に。という言葉を添えて。
 嘘でしょ。てか、その話今する? 嘘でしょ。
 飲み込んだ米が喉元で止まる。何とか味噌汁を流し込み、噴き出すという惨事こそ回避したが内心冷や汗を掻いた。
 そりゃ浮かない顔浮かべるよ。つーか、よくその場面でお金のやり取りできたね。言葉は色々と出てくるものの率直に言っていいのか分からず、とりあえずアイダ君の顔を眺める。彼は僕のことを気にせず話を続けた。
「あの後、家に帰ったらいてさ。とりあえずソーダ君のこと思い出して電話したら、何か落ち着いたわ。その節はありがとう」
 後から返ってくるとしても、自分の財布から5万渡した時は超スッキリしたしね。感情的にならずに色々言えたし。まあ、おかげで彼女のことずっと無視しちゃって、猪木ばりのビンタ食らったけど。彼女のことで動揺してるんだから、まともな対応できる余裕ないのにね。そう言ってアイダ君はうどんを一口啜る。
「振られちゃった」
 何ともアンニュイな顔である。紫陽花ひしめく梅雨の窓際みたいな雰囲気の顔。うどんがとことん似合わない。何でうどんにしちゃたの? と言っても、相応しいメニューが学食にあるとは思えないけど、釈然としないなあ。
 こういう時にどうしたらいいのか分からない。分からないが、ふと思ったことがある。
「アイダ君のこと描いていい?」
 そう言った時には既に写メを一枚撮っていた。
 そうだ。これだ。こういう顔を描きたかったのだ。ちょうどいい。
「は? ソーダ君、何してんの?」
 俺ずっと思ってたんだけど、ソーダ君って空気読まずに会話のキャッチボールに魔球ぶち込むとこあるよね。そう言い切ったアイダ君であったが、表情から見るに僕を責めてはいないようだ。
「まあ、いいよ。その代わりまたご飯食べたりしようよ」
 アイダ君は至極安らかな顔を浮かべて、「ソーダ君といると、余計なこと考えなくていいや」と言った。その顔をも撮る。この顔もいいなあ。
「うん、そうしよう」
 まだまだ修羅場の処理は終わってないんだろうから、いい顔して愚痴ってくれるのかな。ベッドの買い替えとか彼女の私物の返却とかあるだろうし。これからどんな顔が見れるんだろうか。
 アイダ君が酷い目に遭ったおかげで、僕は結構楽しい思いをしている。よくない。非常によくない。せめて、アイダ君がこれ以上何か言われたりはしないようにしたいなあ。でもやっぱりアンニュイな顔も捨てがたい。ああ、僕って罪な男だなあ。
「その顔」
 ピロリンと軽快な音が鳴る。
「ソーダ君の顔もいい感じだよ。悪い事してるけど気持ちいいって感じの顔」
「あ、これ。立て替えてくれてありがとうね」
 人を小馬鹿にしたような顔も好きだけど、今は特に見なくていいので、このタイミングで立て替えて貰っていた5万を返す。
「……フツー、このタイミングで返す?」
 人に振り回されているアイダ君は、本当にいい顔をする。

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